谷川岳登山(平成23年8月27日)

谷川岳には悲しい思い出が2つもあります。しかし何度行っても魅力のある大好きな山であるのは間違いありません。
悲しい思い出とは、50年余り前になりますが従兄弟が群馬大学医学部卒業間際に一の倉から滑落死したのです。親御さんの悲しみは如何ばかりだったでしょう。親御さんの代わりに遺体を引き取りに行き、深い悲しみに暮れる中で一の倉沢から仰いだ空は紺碧に輝いていました。少しばかり慰められました。
もう一つの悲しみとは同期入社した仲間が、入社2年目の5月にエビス大黒と仙の倉との鞍部で猛烈な風雨に襲われて遭難死したのです。弔い山行でケルンを積んで冥福を祈って来ましたが、この悲しみも忘れられません。
その後同僚と汗を流して縦走したり、近年家内を連れてロープウェイとペアリフトに乗り天神山からの360度の眺望を楽しんだ事も素晴らしい思い出として残っています。
今回は、産経新聞社の「リビングふれあい登山」に加わり土合からロープウェイに乗り天神平から谷川岳の双耳峰トマの耳(1,963m)、オキの耳(1,977m)往復5時間30分の山行を楽しんで来ました。

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左上の桃色の線の引かれているところが登山道です。

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産経新聞社が用意をしてくれたコースマップです。黒い線の部分が歩いた道です。
11時5分に登山を開始しました。この時は霧雨と濃霧で今回も足腰の鍛錬だけに終わってしまうのかなと些か悲観してましたが、頂上に達した時(2時5分)は晴れて欲しいとの思いが通じたのか、霧が切れ良い眺めを楽しむ事が出来ました。

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天神尾根を1時間ほど歩いて熊穴沢避難小屋に着きました。頂上まで後1.8kmとの案内がありました。

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また小1時間ほど歩き天神ザンゲ岩に着きました。途中ガレ場が何か所か有り鎖にしがみ付いて登るややきついコースでしたので何人かが小休止を取っていました。まだ濃霧の中です。

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1時45分、最初の目的地「トキの耳(1,963m)」に着きました。御覧のような濃霧でしたので記念撮影だけをしてすぐ「オキの耳」に向いました。

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キリン草が雑草の中で健気にも身を乗り出して花を付け登山者を慰めてくれました。

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この頃から幾分霧が晴れ、「オキの耳」が見えてきました。

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更に進むと、人影もはっきりと見えてきました。幸甚幸甚です。

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可憐な「ハクサンフウロ」が出迎えてくれました。谷川岳の名花です。

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2時5分、谷川岳頂上「オキの耳(1,977m)」に着きました。3時間とやや遅いペースでしたが、泥濘と滑りやすい岩場を辿って来ましたので止むを得なかったと思います。記念撮影をしました。

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この時間辺りから霧が切れだし、登って着たトキの耳も見えてきました。

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一の倉岳(1,974m)も見えます。

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ヒメシャジンでしょうか?頂上で見つけました。(もしかしてミヤマシャジンかも知れません。はっきりしなくて済みません)

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頂上眼下の霧が晴れた沢も見事な風景です。この反対側の一の倉沢は霧で見えませんでした。残念です。

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帰路の道中、肩の小屋の少し手前から天神平駅がかすかに見えました。

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後ろを振り返りましたらトマの耳がくっきりと見えました。登山時は何も見えず、帰る時間になって眺望が開けるなんて皮肉なものです。

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肩の小屋もくっきりと見えます。熊笹の緑が目に沁みるようです。

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4時35分、天神平に戻り5時間30分の山行が終了しました。
すぐロープウェイに乗って土合に向いました。またまた霧が立ち込めてきてもう夕暮れ時のような風景に変わりました。

まずまずの天候で今日一日の登山が終了しました。
今年7回登って快晴が1回、まずまずが2回、曇天・霧雨・濃霧が4回と、山登りに関してだけですが、あまり恵まれた日はありませんでした。しかし回を重ねる毎に足腰鍛錬の意義を見出し、続けてきて良かったと自賛しています。これからも頑張って行きたいと考えています。
by samhasuta | 2011-08-28 09:16 | 23年8月、谷川岳登山


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